こんな時に所有者を確認する必要がある
不動産取引をする場合、その物件の所有者を確認しておく必要があります。
普通は不動産売買の仲介業者である不動産会社が売主を確認して書類も用意してあるので、そもそも売主を確認する作業はありません。
ではどういう場合に山林の所有者を確認する必要が出てくるかというと、以下のような場合です。
- 隣接地との境界確定のために隣接地の所有者と協議する必要がある場合
- 隣接地を合わせて購入したい場合
- 所有している土地に行くために私道などの私有地を通過しないといけない場合
- そもそも欲しい土地があって業者を介さず直接交渉する場合
特に、自分の購入した土地の周辺の土地を合わせて購入したいという場合や、隣接地との境界線確定のために連絡を取る必要があるという場合に、その土地の所有者を探して連絡する必要が出てくる場合が多いです。
今回、私の場合は山林ために境界線が不確定で、さらに隣接地を買い増ししたいということもあり、近隣の土地の所有者様と交渉する必要がありました。
土地の所有者を探す方法とは?
私の場合は、山林バンクの辰巳さんが契約の件で色々と問題があったために、何とかしようと奔走してくださっているので、基本的には辰巳さんにお任せしていますが、ある程度自分でも確認しておきたいということもあり、所有者さんの情報を集めました。
その方法は以下のとおりです。
- 地番を確認する
- 確認した地番に該当する土地の管轄法務局で登記簿謄本を取得する
- 記載されている所有者に電話・郵便で確認する
正直言って、オンラインで完結すれば楽なのですが、お役所仕事となるため、面倒なことが多いです。
それぞれについて、具体的に説明してきます。
地番を確認する
最初に確認しないといけないのが、地番です。
一般的には「住所」といえばその場所がわかると思いますが、不動産の取引では住所ではなく地番を元にして登記簿謄本と照らし合わせて管理しています。そのため、購入したいと思った場所を登記簿上で確定できるように、正確な地番が必要となります。
その地番の確認方法ですが、いくつか有ります。
- 管轄の法務局に電話して教えてもらう(住宅街で住所がはっきりしている場合は楽にわかる)
- ブルーマップで調べる(多くは有料)
- 路線価図(田舎の方はないこともある)
- 管轄自治体で地番図を閲覧する(山の場合はこの方法が確実)
一番簡単な方法は法務局に電話して教えてもらうパターンですが、これは住宅街で住所がはっきりしている場合は有効ですが、山の土地の場合、どの山のどの部分なのかが口頭で説明しても通じないことが多いです。
次のブルーマップで調べるパターンについても、住宅地であればお金を払えば簡単にわかりますが、法務局同様、山林の場合はブルーマップに掲載されていないことが多いです。
3番目の路線価図についても同じで、そもそも山には路線がないことの方が多いので、まず載っていません。
ということで、山林の場合は管轄の自治体まで出向いて担当窓口で地番図を発行してもらう方法が確実です。担当の窓口は自治体によって呼び方が違うため、受付で「地番を調べたい」と聞くと教えてもらえます。
法務局で登記簿謄本を取得する
地番がわかると管轄の法務局で登記簿謄本を取得すれば、その地番の所有者を確認することができます。
登記簿謄本はその地番の所有者でなくても、誰でも取得することができます。
登記簿謄本の申請には料金がかかります。
- 法務局の窓口で申請する場合:600円/1通
- オンラインで申請する場合:500円/1通(送料込み)
- オンラインで申請する場合:480円/1通(窓口で受取)
- 郵送で申請する場合:600円/1通 + 600円(手数料)+ 送料実費
1通というのは、ひとつの地番という意味です。山林の場合、ひとつの山全部で一つの地番(一筆)の場合もありますが、場合によっては非常に細かく分かれている場合があります。
お隣だけと思っても、実は地番が10以上に分かれている場合もあり、その場合は全部の地番に対して調べないといけないため、登記簿謄本の取得費用だけでもバカにならないことがあります。
記載されている所有者に電話や郵便で連絡をとる
登記簿謄本の「所有者」の部分に記載がありますが、場合によっては変更されていることもあります。
変更(消滅)されている場合、所有者の氏名部分に下線が引いてあります。その場合は、「権利部(甲区)」に所有者の変更についての記載があります。
所有者に連絡をとる場合、まずは電話で事情を説明すると話が早いです。電話番号が変更になっていたり、知らない人からの電話には出ないといった理由で、なかなか繋がらないということも多いです。
その場合は郵送で連絡をとることになりますが、間違って中を読まずに処分されることがないように、封筒の色を変える、自筆で宛名を記載するといった工夫をしておくと良いです。
郵送で連絡しても、自分にとって関係ないと思われると連絡が帰ってこないことがあるので「所有している土地の境界画定に関するご連絡」といったように、相手の方にとっても「重要」であることを認識してもらうようにすると返信率が上がります。
隣の土地の所有者を調べる方法は結構大変
私の場合、とにかく地番が細かく分かれており、調べたい数が数十件にもなりました。
一筆3万坪とかいう土地もあれば、20坪で一筆のところもあるので、所有者様を調べるのは結構大変です。
確実じゃなくても良いというのであれば、近所の人に聞いて回るというのも一つの手ではあります。
山の場合は
「あー、あそこは◯◯さんの土地だね」
といった感じで教えてもらえることが結構あります。その場合でも、最終的には法的に誰の所有かは確認した方が良いので、あくまで参考にしておいて下さい。