そもそも水が出そうか近隣を確認しておく
特に山林の場合、井戸を掘るのはかなりの重労働です。
水脈に当たらなければ、何十メートルも掘らないといけない場合もありますし、掘っても出てこないということもあります。
そのため、近隣で井戸を掘っているところがあるのか?掘っているなら何メートルくらい掘っているのか?ということを調べておくと、無駄骨になる可能性は低くなります。
調べるには以下のような方法があります。
- ご近所のお宅で井戸を掘っているかを聞いてみる。
- 井戸がある場合は何メートルくらい掘ったか聞いてみる。
- 管轄の水道管理局で近隣の水道の利用や井戸の利用を聞いてみる。
- 山の場合、近くで清水があるかを確認する。
私の場合、ご近所さんが皆様井戸利用だったため、それぞれのお宅でどれくらいの深さまで掘ったのかを教えてもらいました。
すると、一般家庭用は10メートルから15メートルくらい、農業用の大容量の井戸は60メートルくらいとのことでした。
農業用の大容量は必要ないため、ドッグランで使用する程度の水量であれば15メートルくらい頑張って掘ればなんとかなりそうだということがわかりました。
井戸を掘る場所を決める
そもそも井戸を掘る場所を間違えると、お水が湧いてこなかったり、掘る時の難易度が高くなってしまいます。そのため、掘る場所は慎重に決める必要があります。
昔の人は、水脈を見つけるためにいろいろな方法を駆使していたようですが、私が知っているのは某テレビ番組で里山に井戸を掘った時に水鳥の羽を掘ろうとしているとこに刺して、一晩桶をかぶせて翌日羽が濡れていたらOKという方法です。
私の土地ではそんなことはせず、ほぼ間違いなく湧くであろう場所を見つけてしまいました。
それは、崖下から水が湧き出して小川になっているところのすぐ手前です。もうすでに小川となって湧き出しているので、その手前で掘れば間違いなく湧くでしょう。
そうはいっても、井戸を掘って設置することを考えると以下のような点を考慮する必要があります。
- 木の根が張っていない場所であること
- 岩や石の少ない場所であること
- 水を使用する場所までの距離が短いこと
- 電気配線が可能、かつ、配線が短くて済むこと
- ポンプを設置するスペースがあること
木の根が張っていたり、岩や石が多い場所だと、井戸を掘る時に道具を痛めてしまったり、それ以上掘れなくなってしまったりする可能性が高いため、木の近くや石が多い場所はは避けるようにします。
後の注意点は、井戸を掘って水が出た後に苦労しないための注意点です。もちろん、これらを守れなくても井戸を使用できないわけではないのですが、配管や配線の距離が長かったりクネクネと曲げないといけないとなると色々と面倒なので、極力シンプルな配管・配線で済むような場所を選んでおくと後が楽ということです。
井戸掘りに必要な物の準備
井戸掘りに必要な道具
ここからは、井戸掘りに必要なものについてです。
今回私が井戸を掘るために使用した道具についてご紹介しますが、道具自体も自作することは可能です。私の場合は、井戸を掘ろうとしていた方から道具をお借りしているので、自作はしませんでした。
- スイコ(井戸の穴を掘る道具)
- スイコを支える支柱(滑車付き)
- 塩ビ管・塩ビ管継手・接着剤
- インパクトドライバー
- 鞘管保護のネットとインシロック
- ロープ
- バケツ
- ショベル
- 水
- ライト
これは最低限必要です。
スイコはお借りしたのですが、すいこを支える支柱は自作しました。
道具の自作(スイコの支柱)
スイコはお借りしているので自作しませんでしたが、お借りしたものは鉄パイプよりも硬いパイプの下部には同じ素材の弁がついていて、すいこを落とすとその弁が上に上がって中に泥が貯まる仕組みになっています。
スイコの上部はロープをくくりつけられるようになっていて、全体的にかなり丈夫な作りになっています。貸して下さった方に聞いたところ、特殊なものなので材料費込みで10万円以上かかったとのこと。
絶対に壊さないようにしないと・・・(汗)
で、そのスイコ井戸に落とし込むときに手で落とすわけにはいかないので、三脚の支柱を鉄パイプで作りました。
作り方はシンプルです。三本の鉄パイプの片方を鉄パイプを組む部品(←名前忘れた)で繋ぎ、滑車を取り付けます。鉄パイプ自体は1000円くらいで帰るのですが、このパイプを組む部品がカインズで7000円くらいしました。
滑車はスイコが重いのと、万が一にもスイコが井戸の中に落ちて取り出せなくなっては困るため、スイコと土の重量に耐えられる規格のものを用意しました。
さらに、三脚が地面に埋まらないように、私の場合はそれぞれの鉄パイプの脚にさらに横に鉄パイプを組み合わせて置きました。この部分については、井戸の周りを板で囲んでも良いですし、地面が固ければそもそもなくても大丈夫かもしれませんが、うちの開拓地の場合、もともと畑で土がふかふかなため、安全面を考慮してつけて置きました。
スイコ自体もかなり重いのですが、さらにその中に土や水が混ざったものを一緒に引き上げることになるので、そのまま引き上げるとかなり重くて何メートルも深さがあると上がらなくなります。そのため、テコの原理を使って小さい力で重いものを引き上げられるように滑車をつけます。滑車は2つ付けるとより小さい力で引き上げられるのですが、その分ロープも長くなります。
私たちは最初2つの滑車で引き上げていましたが、そこまで深くないこともあり最終的には滑車1つにしました。
この滑車を三脚の継ぎ手に固定して完成です。
ここまでが井戸掘りのための準備です。これからが井戸掘りの本番です。
私がどうやって井戸を掘ったのかはこの後に続きます。